写真展3つ。

私の職場では、今風邪が流行っている。オフィスでみんなげほげほやっているのだが、あんまり口を押えていないし、マスクをする文化もないのかマスクをしている人もいない。風邪菌の中に放り込まれている気分である。

ということで、今週の目標は目下、「風邪をうつされないこと」みたいになっている。不本意だ。もっと他に目標にするべきことがあるだろうに。しかし、風邪をうつされるのは絶対いやだ。

免疫力を高めるには、笑うことが一番だと思い(それとただ単に怠け者なので)YouTubeで漫才を見ては笑っている。おかげで、スペイン語はずたぼろ。二兎追う者は一兎も得ずだ、と言い聞かせてひたすら免疫を高めることに徹している。

さて、週末から3つの写真展を見てきたのでメモ。

2つはセントロフォトグラフォという写真のギャラリーのところで見た。

そのうちの一つは、メヒコにおける黒人(アフリカ系)の写真の"El legado de África: Centro y Sudamérica"。もう一つは、夜の始まりを切り取った写真ばかり集めた"CUANDO EMPIEZA LA NOCHE "。

メヒコ人のイメージというと、真っ先に浮かぶのが浅黒い髭のおじさんという感じだが、スペイン系の血も流れているので、長身のヨーロッパ人のような人たちもいる。そして、アフリカ系の人たちもいるのだ。私が今まで暮らしたり旅をしたりしたところではほとんどアフリカ系の人を見かけたことがないので、メヒコに住んでいる私でさえイメージがわかない。しかし、アフリカ系の移民たちもいるというまぎれもない事実をこの写真展を通してみて、なんだかとても不思議な感情になった。にわかに信じがたい気持ちがどこかにあるのだろうし、知らなかった事実を急に突きつけられた驚きのような感情もあると思う。白黒の写真の中で微笑む黒人の人たちの後ろに広がるメヒコの風景を後で思い返してみながら、どういう経緯で彼らの祖先が(たぶん、そんなに昔ではない)アフリカの大地からメヒコ、あるいは南アメリカ大陸にやってきたのか、少し調べてみないとなと思う。

もう一つの夜の始まりの写真展。世界のいろいろな街の夜の始まり(そう、どれも夜が始まったばかりなのだ)が集められていた。どの町の写真も今から夜が始まるという、なんだか妙に心が躍るわくわく感が漂っていて興味深かった。写真はランダムにいろんな町が並べられていて、タイトルを確認しなかったらそれに全く気付かないくらい夜の始まりが醸し出す雰囲気が似ているのでこれまた面食らった気持ちだった。日が暮れて、街に明かりがともりだし、気がついたらすっかり辺りは真っ暗になって、そう、まぎれもなく夜が始まっている。そういう時間の持つ空気感を集めたらあんな感じなるのかーーー。

最後の一つは前者とは全く違う趣向で、インスタグラムにアップされた写真たちをプリントアウトして展示した写真展。携帯機器で撮影した写真を大きくプリントアウトしても画質が悪くなかったのにもびっくりしたけど、本当今の世の中、みんなが記録者だよなぁ、としみじみと実感した。写真を撮って、アップして、いいねを押したり、共有したり。前者ふたつの写真展とは全然違うけど、全部写真展なんだよなぁ、と思うとおもしろいなぁと思った。表現することとか、記録することが。

そして、ギャラリーや美術館がこんなにも身近にアクセスできるオアハカはやっぱりすごい街だと思った。歩いてどこにでも行ける距離にあるというのも確かにうれしいけど、ほとんどが無料で開放されているので、自分が足を運びさえすればいろいろな人の作品をこんなにも気軽に見ることができる。素晴らしいことだし、そういう街に住めていて本当ありがたいなぁと思うばかりだ。

備忘録がてら。






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