世界が小さくなっているのを感じるとき

メヒコの街を歩いていると、特に市場の近くなどには道端にたくさんとスタンドが立っている。簡易的なものだけど、毎日、組み立てて商品を並べて、そして一日の終わりには商品を袋に詰めて骨組みもばらして帰るというのだからすごいよな、とつくづく感心する。

売っているものも様々で、野菜や果物といった食品を売っているときもあるし、ジーンズ、シャツ、リモコン、USB、DVD、CD、子どものおもちゃなど枚挙にいとまがないわけなのだが、いつも同じものを打っているのかと思いきやそうでもないのだ。

注意深く見ているとこれらのスタンドにもやはり「はやり」というものが存在するようだ。


日本から戻ってきて驚いたのがこれ。ハンドスピナーというおもちゃである。

指の上でくるくると回るだけというおもちゃらしい。これが、日本から帰ってきてから街に急増しているのである。このおもちゃの存在は日本で小学生の男の子に教えてもらったのだが、めっちゃ流行っているらしく韓国に行った時に買ってもらったといっていた。

あとでネットで見たらアメリカで爆発的にはやりだしたらしいので、それが日本や韓国といったアジアにまでおよんでいることに驚くべきなのかもしれない。しかし、日本で流行っているといって「へぇ」と言いながら見たものが街中に一つのスタンドとして存在する様子を見るのは結構圧巻である。

しかもそれらが中国製だったりするのを見た日にはひぃいいい、となる。世界の距離はどんどんと縮まっているなぁ、とこういう時に感じる。流行が一部の国や地域にとどまらず、ほぼ時を同じくして世界の各地で同じ現象が起きているのである。

爆発的に一斉に流行って、あっという間にすたれてたり忘れられたりするのだろうな、と思うとこの世の中は消費社会なんだなということを思い知る。オアハカの街には刺繍などの手仕事のものもこういったスタンドやあるいは人が手売りして街中を歩いている光景をよく見かける。よく考えれば不思議な光景だよなぁ、と思う。これだけ手仕事が人々の生活に根付いているこのオアハカでさえも、世界規模の消費社会の中に組み込まれているのだから。

コメント